日記「花ひらく人生」
2008年12月09日
わたしたちが、していること。
モデムの不調でメールにも、
ネットにもアクセスできないという
想定外の数日を過ごしていました。
う~ん、困った。
よし! 「少し早めの大掃除日」にしましょう!
マンション地下にあるゴミ収集スペースには
年末になるとあふれるほどの不用品が山積みになります。
あの混雑を避けるためにも、
思いがけない「休日」を利用して部屋を片付けていくことにしました。
部屋の隅に、故障してそのままのファックスが一台。
どうやって処分しようかしら・・・手に取って考えていたときに
以前に観たドキュメンタリー番組のことを思い出しました。
中国のある地域に世界中から不要になった電化製品などが集められ
丸ごとゴミの再処理工場と化している村があるのだとか。
そこでは、運ばれてきたあらゆる製品をネジ1本、バネひとつ無駄にしないよう
分解し尽くされ、溶かされ、再処理また再利用されているというのです。
まるで蟻が昆虫をきれいに食べつくすように、古い品々がみごとに解体されていくのです。
その作業はすべて労働者の手作業で行われていました。
作業の危険性、廃棄物処理による環境汚染に番組は触れながら、
貧しい農村では、それが生活を支える貴重な仕事となっているとも伝えていました。
わたしも、あれをやってみよう!
工具箱から小さな+のドライバーを取り出して、ファックスを持ち上げ、ひっくり返し、
たたいたり、押したり、引っ張ったりしながら、カバーをはずし、押さえをはがし、
とりあえず可能なかぎり最小の部品にまで解体し
・プラスチック系 ・金属系 ・ネジやピン・ゴム・材質不明だけれど不燃物系
大まかに分類し終えたら、作業を始めてから1時間半以上が経過していました。
北京五輪をきっかけに中国という国の環境意識への批判を耳にすることが増えました。
大気や水質の汚染、衛生問題、そして食の危険性。
その度に、胸のあたりにざらざらとした違和感を覚えます。
本当ならば自分たちで片付けなければいけないゴミや汚れものを、
ちょっと離れたお隣のおうちの裏庭にもっていって、
自分の家が綺麗なのにご満悦で「お隣は汚いわね」なんて陰口を言っているのと
同じ事を、わたしたちはしているのではないでしょうか。
ゴミを貴重な財産として引き受けてくれる人たちに蔑みのまなざしを向けながら。
遠く、地球の裏側にまで出かけていって、何百年もの命をもつ樹木を切り倒し
大地を掘り返して、そこに眠っていた美しい石やさまざまな宝物を奪い取って、
でもいずれその宝物もただのゴミに変わって捨て場所に困るだけ。
わたしたちの、していることって、そんなことではないでしょうか。
その土地に住む人たちはけっしてその宝物を手にすることができないばかりか
先祖から受けついできた土地も環境も伝統も文化も奪われてしまったというのに。
ドキュメンタリーでは家族を残してゴミ処理の村に出稼ぎにきた夫婦を紹介していました。
「ここで仕事を得られて本当に有難い」
「子供を学校に行かせられる」と
真っ黒に日焼けして埃まみれの顔で、瞳を輝かせて語っていました。
あのふたりに、もし、どこかで会ったとしたら、わたしは
いったいどんな言葉をかけたら、よいのでしょうか。
「ありがとう」でしょうか、「ごめんなさい」でしょうか。
ふたりの笑顔を思い出す度に、わたしはとても恥ずかしい気持ちになります。
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