日記「花ひらく人生」
2009年03月04日
土に還る。もうひとつの思い出。
食や農を思うようになった道筋を作ったのが
少女時代の読書体験だとしたら、
大人になってから、その思いを温め続ける
火種となるような、出来事があったのです。
就職して2年ほどたった頃だったでしょうか。
先輩の企画でエリート高級官僚(!)との
「合コン」(!!!)が開かれたのでした。
いつの季節だったか、どんな場所で何を食べ何を話したのかは
もうすっかり忘れてしまったのですが、その席で耳にした
どうしても忘れられない、一言があるのです。
いったいどんな話の流れだったのか。
同期の出世頭で将来最有望株、容姿もなかなかに垢抜けたひとりの男性が
いとも軽々と、こう発したのでした。
「だいたい、いまどき農業やってるなんていうのがバカだから」
その瞬間わたしの中の、何かが音を立ててスパークしました。
(ではいったいあなたは何を食べて生きているんですか!!)
何か反論したい。
けれど、現実の自分といえば、論理明晰、立て板に水のごとく滔々と話す彼に対して、
ひとかけらの反論もできないまま、曖昧な表情を浮かべているしかありませんでした。
思い出すだに、そんな自分が恥ずかしく、不甲斐なく、
お百姓さんに、農というものに、申し訳ない思いがわいてしまって、
理屈では勝てないけれどせめてワインの1杯くらいひっかけてやりたかった、
なんて、勇ましいことは、想像するだけの意気地の無い自分ですが、
いまこうして私を土へと向かわせているのは、あのときに感じた
怒りと、申し訳なさと、なにか大きな負い目のようなものなのかもしれないと、思うのです。
まぁ、とにかく、あまりむずかしく考えすぎず、
土に触れ、身体を動かしながら、いろんなことを思い出し、また忘れ、
大地に還る準備を始めていこうと、思っています。
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