日記「花ひらく人生」
2009年04月17日
「無い」ことの豊かさ。
まだ縫い目も鮮やかな新しいランドセル、
肩にぴったりと馴染まない新しい学生服、
電車の乗り降りもどこかぎこちない新入生たちが、
あちらこちらで目に入る季節になりました。
「新学期」という言葉への感慨は
年齢と共に薄れていくように思います。
子供が学齢期にある頃は、入学式、進級・・・
4月は一年の内でもっとも大きな節目の季節でした。
環境の変化に馴染んでいるだろうかと心を配りながらも、
過度な心配はかえって緊張させてしまうと、何気ない様を繕って
センサーの感度を鋭敏にして子供を見守っていたものでした。
行事や書類手続きなども多く、気ぜわしさと共にあっという間に通り過ぎてしまう、春。
過ぎ去った季節を懐かしく思ういっぽうで、
暮れていく春の空を眺めながら、淡々と好きなことだけに没頭できるいまこのときは、
人生という長い時間の流れの中でもっとも幸せな季節なのかもしれない
そんな思いが、しみじみと湧いてきます。
日々の暮らしへの不平不満なく、いまと違う居場所を望むこともなく、
我が身の立ち居地がこうであれば、こうあらねば、という強い思いもなく、
誰かを羨むことも、また誰に羨まれることも、
他人に自慢するような出来事も、愚痴るような出来事も無く。
通り過ぎてきた時間を噛み締めながら、「無い」ということの中にある豊かさを味わっています。