日記「花ひらく人生」

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2009年06月26日

旅の終わり、そして新しい旅立ち。

IMGP0099.JPG真っ白いカップにたっぷりと注がれた紅茶の深い色合いに
あぁ、日本に戻ってきたのだなぁと
しみじみとした思いが胸に広がっていきます。

窓の外に広がる樹木の緑もたっぷりと水気を帯びて
陰影のある表情をみせています。
紅茶と一緒にオーダーしたサンドウィッチのふかふかとした
繊細な手触りにも、日本を感じます。

日本ではめったに珈琲を飲まない私ですが
イタリアではエスプレッソを日に何度もオーダーしていました。
くらくらとする強い日差しの中街を歩き続けて
頭がぼんやりとしてくるとカフェのシェードの影に身を休め、
指先でつまんだ小さなカップに半分もないほどの濃厚な褐色の液体を
まるで気付け薬のようにくいっと飲み干し、
「よし!」と気合を入れてまた歩き出すのです。

ところがこうして日本に戻ってくると、
黄金色の紅茶が充たされた薄手のカップをゆっくりと口元に運び、立ち上る湯気を楽しみ、
鼻から抜けていくアロマにうっとりとしながら深々とソファに身を埋めています。

海外から戻るときは、自宅に直行せずに、リムジンバスを降りたホテルのラウンジで
ひと休みしてから帰宅することが、いつの間にか習慣になっていました。
今日のように紅茶のときもあれば、緑茶に和菓子を頂きながら、
ゆっくりゆっくり、身体と心を日本の空気に慣らしていって徐々にギアチェンジをしていきます。
何事においてもスローペースの自分には、たっぷりと「間」を取る時間が必要なようです。
こうやってワンクッション遊びをおくと、自宅に戻ってからスムーズに日常に移行することができます。
PCを開き山のように積まれたメールやファックスを処理し、旅の荷物を片付け洗濯をして、
ベランダのお花たちの世話をし、食料品の買い物にでかけ・・・

それでも、頭も心も魂も、およそ7時間の時差を越えて体験してきた
さまざまな出来事を消化するには、まだ少し時間が必要です。
フィルムのひとこまひとこまを巻き戻し整理するにも、また、新たな時間が必要となります。
戻った日常の中で、非日常の世界を、自分なりにどうやって咀嚼していこうか。
それもまた新しい、旅の楽しみです。

旅にでかけるということは、戻ってきてそれでお仕舞いというものではなく、
帰ってきてから、もうひとつ新たな旅立ちが用意されています。
それは、自分の内面の世界を深く泳いで新たな意識の世界を構築していく旅です。
この10日間のイタリアの旅が、自身をどのような新しい世界へと導いていくものになるのでしょうか。
レポート作成の課題に取り組んでいる学生のような気分でいます。

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