日記「花ひらく人生」
2009年09月05日
「無理」の多い暦。
今日9月5日は満月です。
旧暦ではまだ7月ですから、
仲秋の名月を眺めるには、
あと28日ほど待つことになります。
実は今年は、旧暦では「閏月」といって
1年が13カ月に区分される年に当ります。
29日と半日を基本周期とする
月の満ち欠けに基づいた旧暦を使っていると
一年365日で四季がひと巡りしたときを一年とカウントする
太陽周期とは差異が生じてくるため、
閏月を設けて季節のズレを調整していました。
旧暦から現在使われているグレゴリオ暦に移行したのは明治に入ってからのこと。
この改暦、かなりの急ごしらえで進められたもののようで
「改暦詔書」が出されたのが明治5年(1872年)11月9日で、
なんと翌月の12月3日を明治6年1月1日として新暦をスタートさせました。
ですから一般庶民は生活に混乱をきたし、トラブルも多かったようです。
なぜ、これほど改暦を急いだでしょうか?
翌年が閏月にあたっており、財政難の政府が13カ月分のお給料を出すのを嫌がったからだとか。
(参考図書『人は月に生かされている』志賀勝著 新曜社)
真偽のほどはさておき、ずいぶん無理の多い改暦であったことがよくわかります。
維新後に打ち立てた新しい政府の在り方そのものが、
さまざまな無理の上に成り立っていたといってよいでしょう。
もちろん、無理なくてはやり遂げられないのが改革というものなのですが、
明治という時代を興した大きな無理が、その後々の出来事に大きく響いていることが、
暦というひとつの物差しを通して観えてきます。
改暦ご数年間は、新暦を使うのは「お役所」に限られていたようですが
統制が進む中で新しい暦は、日常生活にも次第に定着していきます。
お節句やお祭り、年中行事など、月の満ち欠けに応じて執り行われるべき儀礼や催事が、
新暦の日付で開催されることで本来の意味が忘れられていきます。
ついたちの新月、15夜の満月、新年最初の満月が小正月で、7月満月はお盆、
三月三日の雛祭りの夜は必ず三日月だった時代に、
月を介してつながっていた日本人の精神性は失われていきました。
その代わりに手に入れたものが「豊かで便利で安全な」欧米型先進国の暮らしといえるでしょう。
さまざまな無理の上に急ごしらえで創り上げられた、その延長線上にいまの暮らしがあります。
無理をかさねた結果のひずみを立て直す、新しい改革の時代が訪れているのだと思います。
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