日記「花ひらく人生」
2009年10月26日
あえて、不便を選ぶという選択。
急に寒さが訪れたと思えば
台風のニュースです。
関東は今夜から明日にかけてがピークとか。
前回の台風では鉄道の遅延で
オフィス勤務の方は大変だったようですね。
ここ数年で、いろんな路線が繋がって
交通網がますます便利になっていますが
どこか1箇所で滞りが起こると
いくつもの延線に被害が及ぶようになりました。
駅に着いたらまず、
掲示板で遅延情報をチェックするのが習慣のようになりましたが
遅延、振替運転、といった案内が出ていない日はありません。
千葉や埼玉などの首都圏外で起きたトラブルによって
地下鉄や山手線に遅れがでることも度々です。
こんなときに思いだすのは
密林のジャングルの中にピラミッドを築いた古代マヤ文明のことです。
あんな不便な場所で、なぜあのような優れた叡智をもつ文明が生まれ、
しかもいくつもの都市が長い歳月にわたって繁栄することができたのか?
マヤの謎のひとつとされています。
それはマヤがあえて「不便」を選んだから、だという説があります。
マヤ文明では、密林の中で複数の都市国家が離れて点在し、
それぞれが距離を保ちながら独立して存続していました。
各都市をつなぐ道は、人がやっと通れるほどの非常に細い道で、
ごく限られた人間のみが歩いて行き交う交易は細々としたものだったそうです。
あれだけのピラミッドを築く技術を持っているのですから、
当然立派な道路を作る技術もあったはずです。
それなのに、何故?
どうやらマヤではある一定限度を超えて都市が「発展」することを避けていたようなのです。
交易があまりに盛んになれば持つもの持たざるものの格差が生まれ、侵略、争いを引き起こす。
国土開発が進み食料が増えれば人口増加が起こり、逆に食糧難になる。
便利で豊かになりすぎることの危険性を考え、発展に歯止めをかけていた。
繁栄するものは、いずれは滅びる。
「盛者必衰の理」をマヤの賢人たちは魂に刻んで政を行っていたのでしょうか。
その説の確かであるかどうかは別に置くとして。
うっそうとした樹木が生い茂るけもの道を、素足に皮のサンダルを履いて何日も歩き続けて
ふっとジャングルが開けたところに石造りの壮大なピラミッドが見えときの高揚感。
胸いっぱいに青空の息を吸い込んだときの達成感。
そして、自分たちとは異なる世界へと一歩ずつ近づいていくときの緊張感。
古代マヤ人の胸の高鳴りに思いを馳せてみると、
彼らがあえて「不便」を選んだことが理解できるように、思いませんか?
いまのわたしたちとは少し違う次元のことごとを、彼は理解し、大切にしていたように感じられます。
台風の被害が最小でありますように。
そして、外出の方は、どうぞお足もとに気をつけて。