日記「花ひらく人生」
2009年10月06日
平和の祭典。
日常から遠く離れた日々を過ごして
また東京に戻ってきました。
日付の古い新聞を拾い読みして知った
五輪開催国選出での日本の「落選」。
リオデジャネイロに決まった、との記事を見て
あるひとりの女性のことを思い出しました。
あれは1994年、アメリカで暮らしていたときのこと。
F1レーサー、アイルトン・セナが事故で亡くなったと
泣き崩れるようにして知らせに来たブラジル人のホージー。
「私の国は本当に貧しくて、政治も不安定で、何も誇れるものがないけれど
唯一セナだけは世界に誇ることができる素晴らしい人だったのに」
何度も何度も繰り返し、母国の英雄の死を悼むのでした。
何も誇れるものがない国……
彼女のその台詞がわたしの胸に鋭く痛く突き刺さって
慰める言葉を見つけることができませんでした。
記事の横には抱き合って喜ぶブラジルの人たちの写真がありました。
そこに、ホージーの笑顔が重なります。
感激屋さんの彼女だから、きっと飛び跳ねるようにして喜んだことでしょう。
「これでわたしたちの国も世界に誇れるものができたわ!」
彼女の声が聞こえてくるようです。
(よかったね、おめでとう)
1964年、東京オリンピックを迎えた日本人の気持ちにも思いを馳せてみました。
「やっと世界から一人前の国として認められた」
そんな感動、喜びと希望が、沢山の人の胸に溢れていたのではないでしょうか。
あの写真の、ブラジルの人たちのように。
いまの私たちには、想像もできないほどの強い感動が…
世界平和のための祭典であれば、他の国の人たちの喜びを大切に
切実にそれを願う人達に援助の手を差し伸べてあげることを第一に
考えることが本来の五輪の精神ではないでしょうか。
日本の「敗因」を分析するばかりの記事に冷え冷えとしたいまの日本人の
心の在りようを重ねてしまってさびしい気持ちになるのは私だけでしょうか。
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