日記「花ひらく人生」

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2010年01月12日

まっすぐに、まっすぐに生きていく。

%E9%9D%92%E7%AB%B9.JPG信州、上田という何のゆかりもない土地で
「畑の学校」をスタートさせたのがちょうど一年前。

今年は「ふるさと未来系」というシンポジウムの開催と共に
<あたらしいふるさとを考える会>を発足させました。
2010年の始まりと共に、新しいスタート地点に立ったような、
清々しい気持ちで年明けを過ごしています。

そもそも、なぜ、上田?
「ご縁です」としか答えようがないのですが、
今回のシンポジウムのゲスト・スピーカーである
荒井祐司先生が理事長を務める「さくら国際高等学校」
このご縁結びのキューピッドなのです。

「松茸狩りに行きませんか?」と誘われたのが2008年の秋。
もちろん! と即答してから知ったのが、
それが不登校の生徒たちが通う高校の学校行事であること。
父兄でもないのに参加していいの?と遠慮する私に 大丈夫!と勧める友人は、
建築家として学校の「再創生プロジェクト」に係わる人でした。

聞けば、その学校は、教師たちだけが教育にかかわるのではなく、
保育園や、小学校、大学、また地域のあらゆる人たち、
さらには年代や職業を超えたアーティストや文化人、医者、弁護士や経済人なども
積極的に関わりながら共同で成果を出すといった活動をしているのだと。
松茸狩りもそうした活動の一環なのだと。
「だから、いろんな人が参加したほうがいいんです」

さて当日。
松茸山は思いのほかの急斜面。
枯れた松茸が山肌を覆って、斜面はつるつる滑って滑って、大変!
足元がおぼつかない私は、両手を使ってなんとかよじ上ろうと必死です。

ふと、気がつくと。
地面にはいつくばる私の、少し先、高いところから、
じっと私を見守っている視線に気がつきました。
静かな、でも温かい、励ましの視線。

やっとそこまでよじ登ると、その姿はもう消えていて、
そしてまた、よじのぼる私の少し先に、また別の姿が、影のように、
ずっと見守ってくれているのを感じながら、なんとか頂上に到達しました。

「頑張って!」「大丈夫?」言葉をかけるわけではないけれど
(ここで見守っていますよ)というメッセージが伝わってくる
彼らの視線の温かさ、繊細さが胸に響いて熱くなりました。

これほどの思いやりを持った生徒たちが通えなくなってしまう、
いまの学校って、いったい何なんだろう!?

生徒たちじゃなくって、学校が、世の中が間違っているんじゃない?!

純粋な疑問と、社会に対する静かな怒りのような感情が湧いてきました。

頂上で一緒に松茸ご飯とキノコ汁を食べた彼らは、明るくのびのびして
手をつないでダンスをしたり、ぼんやりしたり、ふざけたり、
自分たちの高校時代と、どこが違うということもない様子です。
「不登校」とひと括りにされてしまうけれど、その背景には、
さまざまな出来事や要因があることでしょう。

その要因を、個々の問題だと片付けてしまってよいのか。
関係者だけでなく、もっと多くの人が、社会全体が
自らを省みて考えなくてはならないことなのではないか。
「不登校」という現象の中にある、今の社会が抱えている歪みや誤りを
問い直さなくてはいけないのではないか。
わたしたち大人が直面し、解決することを避けている、その結果が
子供たちという弱い立場にあるものを苦しめているのではないか。
学校だけに問題をおしつけてはいけない。

異質なものを排除し、蔑む集団。
自分より弱い人を見下し無視する者がリーダーとなって牛耳る組織。
他者を威嚇し、弱みにつけこむことで増大していく力の競争が行き渡る社会。
効率という名目のもとに切り捨てられていく「命」の根源となるもの。
人をふるい落としていくばかりの社会のあり方を変えていきたい。
繊細な優しさをもつ者、優しさゆえに他者を優先させる者が
踏みにじられることなく、傷つけられることなく、
安心して、まっすぐに生きていける場所を創りたい。

ずっと心にあったそんな思いを<あたらしいふるさとを考える会>と共に
現実に、形にしていこう! いま強く思っています。
思いを形に変えていくきっかけを与えてくださった「さくら国際高等学校」の
荒井先生はじめ先生方、そして生徒のみなさんとの出会いに、深く感謝しています。
また、共に会を立ち上げてくれた仲間にも沢山の「ありがとう!」を、心から。

ただまっすぐに生きていく、そのことを忘れずにありたいと、
2010年の始まりに胸に刻んでいます。

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